木漏れ日(森美術館)
Komorebi(Dappled Sunlight)(Mori Art Museum)
六本木森美術館で2024/03まで開催される開館20周年記念展「私たちのエコロジー:地球という惑星を生きるために」の展示計画です。森美術館の最後の展示室には天窓があり、開館当初は使用されていました。しかし美術館の特性上、自然光を入れる機会は少なく、天窓下のスクリーンは故障し現在まで閉じたままでした。アーティスト:アサド・ラザ氏はこの状況に対し、故障を修理し、太陽光が差し込む場所を取り戻すことが森タワーそのものの生態系を回復させるというアート計画(木漏れ日)を考えました。
今回はその作業のために必要な足場のデザインが弊社に要求されました。
足場を残置してアートとして見せるという要望から、日本で古来より使用されてきた檜の「丸太足場」が適していると考え、デザイン及び、会期終了後はまたどこかで再利用するというストーリーを提示しました。施工は宮大工や鳶の方々の協力を得て構成やディテールを現場で決め、現在ではほとんど見る機会がない、木製の足場が実現できました。
「丸太足場」は伝統的に日本の建設現場に欠かせないものでしたが、現在では金属に取って代わられ、一部の神社仏閣の修復だけに使われている状況です。丸太足場に使用される木材は、100φ程度の木材で歴史的には山林を育てていく際に間引かれる“間伐材”を使用するという、まさに日本のエコシステムの中心にあるものでした。昔は丸太足場を使用することが、山や森のメンテナンスに密接に関わっていたのです。今回の計画が、丸太足場を通したエコシステムの再発見になればと思います。
展示会で使用した木材は、閉会後も再利用することになっており、日本のどこかでこれからも生き続けます。
2023
用途:アート
場所:六本木森美術館
高さ:5m
function: Art
site: Roppongi Mori Art Museum
hight: 5m
アーティスト:アサド・ラザ
プロデューサー:オリヴィア・フェアウェザー
施工:おだわら名工舎
コンサルタント:イザベル・オリヴィエ
協力:Black Cat Daydream(京都)
artist:Asad Raza
producer:Olivia Fairweather
production:Odawara Meikosha
special consultant:Isabelle Olivier
additional support: Black Cat Daydream, Kyoto










